帝王切開~息子誕生~
先生の「産まれるよ~。」の声と共に周りがざわざわとして
一瞬、ピリピリとした空気が流れた。
私は「お願いだから、元気に産まれてきて!」と祈った。
そして、私のお腹が大きく左右に揺すられた。
「え?なんで?(・。・;)ナニナニ?」
どうしてこんなに激しく揺らされてるか解らず、されるがまま揺らされていた。
「うっ!き、気持ち悪い。」
そうだ!先生!
頭を揺らすなって言ったじゃないの!
思いっきり揺れちゃってるんですけど・・・。
私の頭のところにいた麻酔医に「す、すいません。気持ち悪いんですけど」と言ってみた。
すると、麻酔医は「もうちょっとだから~」との返事。
もうちょっとと言われても・・・気持ち悪いし目が回ってるよ~(◎д◎;
そんなやり取りをしてると、ヌルッというかスルッというかそんな感覚があった気がする。
私は、その瞬間、思った。
「泣け!泣くんだ!」
完全にテレビの影響だけど、産まれてすぐ大きな声で泣けば
赤ちゃんは元気なんだろうなぁと何となく思っていたから。
そんなことを思っていたら先生達が時計を見て口々に叫び出した。
「19時59分!19時59分!」
『産まれたんだ』と思った瞬間、息子が大声で泣いてくれた。
やった~!無事なんだ。
ホッとしたのと同時に涙が出てきた。
でも、泣くと余計に気持ち悪さと頭がクラクラして痛くなったので
泣くのを堪えるのに必死だった。
産まれた息子は、助産師さんが受け取りすぐに体重を測りにいった。
ヒゲ先生 「体重は?何グラム?」
ちょっとイラついた感じで聞いていたので、何か問題でもあったのか?と不安になった。
少しの間があって、助産師さんが答える。
「3700gです~」
ヒゲ先生 「え?何グラムって?」
助産師 「さんぜん、ななひゃくぐらむです!」
一同唖然!・・・沈黙。
外科の先生 「。゚( ゚^∀^゚)゚。アーッハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \」
私の心の中 (先生、笑いすぎじゃない?)「でか~!(⌒▽⌒ ) ァ '`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、 」
(やっぱり大きかったんだぁ)「そりゃ、出てこないよ。アハハハ」
(オイオイ!私の10時間の陣痛は何だったんだ?)「お母さん、良かったね。
こりゃね、帝王切開じゃないと出てこれなかったよ。」
(外科の先生に言われても・・・ヒゲ先生、何とか言ってよ~)外科の先生につられて、その場にいた先生や看護師さん、みんなが笑って
手術室に笑い声が響いていた。
私は、この笑い声を聞いて本当に無事産まれたんだと実感して安心した。
そして、助産師さんが、私のところに息子を連れて来てくれた。
初めての対面。。。
どんな顔なんだろう?ドキドキドキ・・・
何だか意識が朦朧としてきてしまって息子の顔がよく見えない。
握手しようとして息子に手を伸ばすが、全然、触れられない。
それを見て麻酔医が「こっちだよ」と息子の手を握らせてくれた。
産まれたばかりなのにギューっと力強く私の指を掴んだ。
さっきまでこのお腹にいた子が私の指を握ってる・・・
すごく不思議な気分だったけど嬉しくて胸がいっぱいだった。
そして、もう一度、息子の顔を見た。
今度は、息子の顔が見えた。
見えたけど・・・・(((゙◇゙)))カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
か、顔が四角い□| ̄|_
それも長方形を横に置いた感じ。
まぶたも重そうで目も細くて・・・
どうしよう、こんな不細工に産んでしまった。・゜・(つД`)・゜・
まぁ、私とダンナの子なんだからそんなにかっこいいわけないとは思ってたけど
想像以上でちょっとショック。。。○| ̄|_
最後に、助産師さんが「お母さん、チュッ(*^-^)(ε^*)」と言って
私のほっぺに息子がキスをしてくれた。
産まれてすぐに抱っこできなかったけど、これは本当に嬉しかった。
そして、助産師さんが息子の手をとり
「お母さんも頑張ってね。僕、先に行って待ってるからね。」
と言って手術室を出て行った。
(この助産師さんが私の担当で本当に良かった。)
すると、麻酔医が「じゃ、少し眠りましょう。」と言って
腕に小さな注射を打った。
それ以降、手術が終わる直前まで記憶がない。
承諾書の「胎児仮死」って何だったのよ。と言いたくなっちゃうぐらい
元気で大きな
男の子が産まれたのでした。
2003年12月1日19時59分
3700g 男の子誕生