帝王切開~準備~
帝王切開が決まると、ものすごい勢いで準備が進められた。
ヒゲ先生が、PHSで外科や麻酔科の先生に電話をする。
「緊急で帝王切開をお願いします。」
これを聞いて、何だか「あぁ、本当にやるんだぁ」と実感がわいてきて
急にものすごい恐怖感が襲ってきた。
私は、涙と体の震えが止まらず、
されるがままで、呆然と横になっているだけだった。
そんな中、麻酔の先生が手術の説明に来た。
はっきり言ってほとんど覚えていない。。。
そして、手術の承諾書のサインをするように言われた。
その承諾書をよく見ると
「前期破水」
「胎児仮死」
と書いてあった。
胎児仮死?そこまで深刻な状況なのだろうか?
「胎児仮死」の文字を見て、止まりかけた涙がまた溢れてきた。
震えもひどくなるばかりで止まらない。
でも、ここまできたらサインするしか道は残されていない。
震える手でどうにかサインをしたが、ガタガタでぐちゃぐちゃ。。かなり乱れてる。
小学生?いやいや幼稚園児並の文字だったと思う。
それから、心電図をとり、弾性タイツをはかされ、お腹の毛を剃られ・・・
看護師さん2人がかりで着々と準備が進められる。
途中、弾性タイツをはかせる時になかなかうまくはかせられず、
ヒゲ先生も手伝っていたと思う。
今考えれば、私が自分ではけば良かったんだろうな。。。
その時は、非協力的な患者だったので・・・(^^;)
でも、手術が決まったからといって、陣痛がおさまるわけではないので、
「手術するなら陣痛止めてよ~!」
なんてわがままで訳のわからない訴えまでしていた。
先生や看護師さんから見れば逆ギレでしかなかったと思う(笑)
この準備の時、分娩着ははだけてるし、裸同然だった。
普段なら恥ずかしくてたまらない状況だけど、
この時は、もう恥ずかしさを感じることも出来ないぐらい余裕がなくて
「もうどうにでもしてくれ」
と半分自棄になっていたのかもしれない。
まさに「まな板の上の鯉」状態。
無理やりでもこの状況を受け入れるしかない。
でも、私が状況を受け入れようが受け入れられなかろうが
そんなことには関係なくあっという間に準備完了で
気付いたら手術室に向かっていた。。。